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タイヤを探す(サイズ変更編)

後編です。
より強いタイヤを履くために、とりあえずハンドリングは無視してサイズ変更する運びとなりました。
前後17インチのキャストホイールのボンネビルであれば軽い気持ちで色々試せるのですが、空スラはそうもいきません。


ラジアルタイヤを履きたい

純正指定サイズでは前後同銘柄にしようとするとバイアスタイヤしかないことは、前編をご覧になった方や既に空スラのタイヤ交換で悩んだ経験のある方はおわかりいただけたと思います。
そこで、ラジアルタイヤ履きてーなチクショーという気持ちでインターネッツの海で荒波に揉まれていると、サイズを変えてラジアルタイヤを履いている方のブログがヒットしました。
なるほどサイズ変更……そういうのもあるのか……。
と、いうことで、真似してみます。


リムサイズ

純正ホイールのリム幅は
フロントが2.5、リアが3.5
です。
純正サイズという概念を放り投げて、リムサイズに合わせることにより、多少選択肢が広がります。


チューブレスタイヤなんだけど?

チューブレスタイヤでもチューブを使えばスポークホイールに装着できます。(力技)
お店によっては断られるかもしれませんが、その場合は店を変えるかチューブレス化キットを組みましょう。
タイヤメーカーが推奨していない場合もあるので、一応自己責任でお願いしますと言っておきます。
あと、タイヤサイズを変える場合はチューブのサイズも変わりますからお気をつけて。


サイズが変わると何が変わる?

タイヤ幅や扁平率やらが変わると、ハンドリングが大きく変わります。
幅よりも扁平率の方が影響が大きいでしょうか。
サイズ変更する場合は基本的に扁平率は落とす方向なので、車高が低くなり、足つきが良くなります。
また、コーナリング時にはハンドリングが鋭くなったり、勝手にパタパタ寝るような傾向になる場合もあります。
車体ディメンションと合わせて考えなればならないので、前後のサイズがちぐはぐでバランスが崩れると乗りづらくなってしまいます。

僕の選んだタイヤサイズ(110/80-18 , 140/70-17)の場合、フロントタイヤが17インチになったかのようにグイグイハンドルが切れるようになりました。
反面、直進安定性は落ちます。
良い言い方をすれば細身のタイヤらしいヒラヒラ感が味わえます。


ラジアルタイヤってどう?

街乗りレベルではゴツゴツしますが、高速に乗ると安定感が増したように感じました。
速度が出てくるとバイアスタイヤではサスペンションの動きが忙しくなってきますが、ラジアルタイヤではタイヤがその負担を受け持ってくれるような感じです。
低速ではその逆で、バイアスの方が乗り心地が良いです。
また、バンク時の安定感もバイアスタイヤより優れています。
フロントブレーキ引き摺りながらスパッと寝かせても危なげなくコーナークリアできます。


サイズ変更で履けるタイヤ

調べてみると
フロントは110/80-18、リアは140/70-17
のサイズが一番バランスが良さそうでした。
前後共に幅が10広がって扁平が10落ちます。
以下にこのサイズのタイヤを紹介していきます。

ダンロップ α14
このサイズで唯一履けるハイグリップラジアルタイヤです。
最初に履き替えたタイヤです。
思えばこのタイヤが履けるとわかったところから泥沼に嵌り始めていたのだと思います。
純正ホイールで履けるタイヤの中では間違いなく最強レベルのグリップレベルです。
空スラには間違いなくオーバースペックなのですが、コケるんじゃないかってくらい寝かせても地面に張り付くように曲がっていくのでとても気持ちいいです。
タイヤプロファイルがかなり尖っているので、リアビューがとてもレーシーになりますし、ハンドリングも鋭いです。
勝手に寝ていい感じに曲がっていくので、運転が上手くなったように感じます。
心配なのはウェットグリップと温度依存性です。
ウェット路面に関してはツーリング先の土砂降り峠でもコケることはなかったですし、雨の高速でも暖かい季節ならば命の危険を感じることはありませんでした。
ただし、ツーリング向けのタイヤよりは恐怖を感じます。
低温時に関しては、真冬に雪がちらつく都内で乗った時はまっすぐ走っていても不安感が強く、流石に危ないと思いましたね。
お店から出る時の走り出しや、橋の金属継ぎ目などには気をつけましょう。
フロントタイヤはZレンジ、リアタイヤはHレンジの組み合わせになりますが、特に片側だけ激しく減るようなことはなく、バランスよく使えました。
センターのスリップラインが完全に現れる寸前まで使って8000キロ程度持ちました。
ラジアルハイグリップにしてはお手頃価格な銘柄ですし、リアタイヤはHレンジなので、思ったより安く装着できます。
峠走る人はぜひ試してみてください。
タイヤを探す(サイズ変更編)_a0394739_17504456.jpeg
(レーリーなリアビュー。元から鋭いタイヤプロファイルだが、適正リムギリギリということもあり、トレッド端は絶壁状態。しかし、見た目に反して深いバンク時の安定感は抜群だ。)

ダンロップ GPR-300
こちらもラジアルタイヤですが、思いっきりツーリング向けのものです。
僕はまだ試していないのですが、グリップレベルは必要十分らしく、僕が参考にしたブログではこのシリーズのタイヤを空スラに履かせてサーキットを走行されていました。
予想ではラジアルタイヤの乗り心地を得つつも、バイアスタイヤっぽいイージーな感じもありそうな気がするので、そのうち試してみたいタイヤです。
こちらもアルファと同じく前がZレンジで後ろがHレンジです。
バイク用品店の広告を見るに、アルファよりは安いけど、バイアスよりは高いって感じでしょうか。
ほんとはダンロップであればロードスポーツとか、ハイグリップ手前のスポーツタイヤを履きたいのですが、あれらは売れ線のモダンなバイク向けのサイズしかないため、空スラには履けません。
こんなニッチなサイズのタイヤを一応ラインナップしていることだけでも感謝しておくべきでしょう…。


ラジアルでサイズがキッチリ合って前後同銘柄で揃うものはこの2つだけです。
一応無理すればピレリのAngel GTなんかも履けるようですが、あんまり無理してもタイヤ形状変わってしまったりで良いことはなさそうなのでオススメはできません。
また、前後のどちらかだけサイズがある銘柄もありますが、前後別銘柄履くと悪い影響が出そうなのでこれも無しです。
次にサイズ変更して履けるバイアスタイヤです。


ピレリ スポーツデーモン (Vレンジ)
現在履いているタイヤがこれです。
バイアスタイヤですが、110/80-18と140/70-17を履くとハンドリングが激変します。
18インチのフロントタイヤは純正サイズの時のように鷹揚に外回りをして曲がっていくことはなく、感覚的にはリアタイヤと同じようなラインを描きます。
ですから、旧車ライクな大径フロントを遊ばせつつスロットルを開けて曲げるような二次旋回主体の乗り方というより、モダンな一時旋回でキッチリ曲がるような乗り方の方が合いますね。
パタッと倒し込めるので峠では面白いですが、ラジアルタイヤのように、深いバンク角での踏ん張りが効かないので、そこはちょっと怖いかもしれません。
グリップレベルは十分で、ライフも長く、ツーリング適正は高いのですが、α14を履いていた時ほどの感動はありませんね。
なぜこれを履いたかというと、タイヤ交換時に若干金欠気味だったので、チューブ交換せずに安いバイアスタイヤを履こうとしたためです。
なお、交換後に請求書を見て知ったのですが、VレンジのためHレンジの純正サイズ比で値段が倍くらい高く、結局GPR-300にした場合と変わらないくらいの出費となりましたとさ。(トホホ…
まぁ、アルファみたいにタイヤのおかげでめちゃくちゃ速いってことがなくなったので練習には最適ですし、バイアスタイヤの特徴やサイズ変更による影響などもこれでよく把握できたので、良い教材だと思います。
タイヤを探す(サイズ変更編)_a0394739_19553510.jpeg
(低温ではバッチリだが、軽く表面が荒れるくらい熱が入るとグリップ感が薄くなってきたように感じる。熱が入るとボロボロとした触り心地になるので、スポーツ走行を繰り返す場合はライフは短いかもしれない)

メッツラー レーザーテック (Vレンジ)
これも高いですが、興味ある方はどうぞ。

ブリジストン BT-45 , BT-45V
サイズがめちゃくちゃ充実しているため、いろんなサイズが試せます。お値段もお手頃。
リアは150幅までいけそうですね。
BT-45で色々とサイズを試している方もいらっしゃるようですが、どのような感じでしょうか?
試してみたいけど次はアルファに戻したいしなーって事で永遠に試すことはなさそうです。


サイズを変えた場合の乗り味について

そんなわけで、タイヤ変更1発目はダンロップのα14を選択しました。
サイズ変更したことによる乗り味の変化について、既にちょいちょい書いていますが、ここにまとめておきます。
ラジアルでもバイアスでもとにかくハンドリングが鋭くなります。
前後同じだけしか扁平率は落としていないはずなのに、突き出しを増やしてフロント高を落としたかのように少ない抵抗感で鋭くバンクし、前輪もきっちり回ります。
これはもうほんと気持ちいいですし楽しいです。
幅が広がった影響は全く感じません。
ちょっと走った程度じゃタイヤ端まで接地しないなってことくらいで、乗り味としてはむしろよりタイヤが細くなったかのようです。
直進安定性は少し落ちます。
高速道路をまっすぐ走っている時に純正サイズで感じられたような前輪がビシッと前を向く感覚があまりなく、細身のタイヤらしい感覚がより強く感じられます。
といってもフロント17インチの車両と同じような感覚なので問題というほどではありませんね。

カフェレーサーらしい刺激的な乗り味が欲しければサイズ変更は大変オススメ
と言いたいところですが、無視できないネガな部分もありました。


曲がりすぎる

曲がりすぎてしまうのです。
フォーク寝ててしかもロングホイールベースな車両で何言ってんだって感じですが、実際曲がりすぎてしまうのです。
例えば峠の低速コーナーなんかでフロントブレーキをかけつつ思いっきり車体を倒します。
進入時は気持ち良いくらいの鋭さでバンクし、ステアも切れていくのですが、少し遅れてさらに大きくステアが切れます。
しかもガクッと切れるので、修正もなかなか難しく、クリッピングポイントでは狙ったラインより内側を通ってしまいます。
これはステアリング周りのディメンションで鷹揚な味付けを行なっているのが原因で、それがタイヤサイズ変更によって変わったハンドリングに悪い影響を及ぼしているようです。
サスペンションにも問題があるように思いました。
一応ステムベアリングの劣化も疑いましたが、こちらは点検しても問題なし。
とりあえずこの曲がりすぎてしまうこと以外はとても良い感じなので、この感じをさらに良くしたいと思い、カスタムの泥沼に嵌っていきます……。
乗り方を車両に合わせるのと同時進行ですね。

具体的な話は次回以降に持ち越しです。
お楽しみに。

by HA577 | 2020-01-02 23:16 | バイク | Comments(0)

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