前回記事を書いていた当日にブレーキパッドを購入してしまいました。
今回の記事ではそれを取り付けた時の様子を紹介していきたいと思います。
実は自力でキャリパー取り外しを伴うブレーキパッド交換をするのは初めてです。
購入したブレーキパッドについて
こちら、天下のアップガレージ様で新古品で購入したProjectμのエコスポーツパッドでございます。どこぞのショップから旧製品を買い上げてお安く販売しているようです。ちなみに現行の品物はエコスポーツRevoと名前もバージョンアップしています。それほど性能は求めていないので、旧製品でも全く問題ないかなと。開封してパッケージ裏から透かして見てみるとバーコードシールの下に当時の税込価格が見えたのですが 、なんと消費税5%時代の価格だったので、そこから察するに少なくとも6-7年ほど前の製品のようです。
まぁ、使用していなければほぼ劣化しないようなので、問題ないかなと思います。
変えていきます
実作業の方は他のブログや海外のメンテ動画を参考にして行いました。
同時に車検で純正戻ししていたサイレンサーなんかも変えていきます。
例によって写真少なめです……。
バラす
バラしていく前に、キャリパーマウントボルトの頭と取り付け部にマーキングをしておきます。
それから、スイングアームに固定されているブレーキホースのガイドを外します。
外しておかないと作業中にブレーキホースが引っ張られてしまいあまりよろしくないそうです。
パッドピンを緩めておくことも忘れずに。
リアキャリパーの場合はフロントよりバラしやすいですね!というのも、純正のフロントキャリパーと違い六角のみでパッドピンの取り外しが可能なためです。純正のフロントキャリパーはマイナスドライバーで蓋ネジを外さなければパッドピンの六角が現れないのですが、このフタが固着してて一生バラせないとかそういうトラブルが発生する可能性があります。(不要になった純正フロントキャリパーをバラして練習しようとしたら見事に固着してた)六角であればナメる可能性は低いですからね。ところがニッシンのキャリパーは結構な比率でマイナスネジのフタが取り付けられています。プラスじゃないだけマシともいえますが、一体なんの意味が……。このキャリパーはマイナスネジでフタされてないので、素人でも破壊する可能性が低いです。
バラせたらブラケット部というか、キャリパーをスライドする部分も全部バラして洗剤で洗います。今回はピストンツールが間に合わなかったため、ピストンは外した時に飛び出ていた部分しか洗っていません。仕上げにブレーキクリーナーと歯ブラシで頑固な汚れを吹き飛ばすと、ピカピカにはならなかったものの概ねきれいになりました。
パラしてから思ったのですが、このキャリパーは背の部分、キャリパーの内側から見てパッドスプリングの裏に小さい穴が設けてあり、汚れの侵入を防ぎつつ水分が抜けるような工夫が感じられました。オフ車での採用が多いことや、巻き上げなどで汚れやすいアンダーマウントなボンネビルで採用されているのは、この部分が効いているからなのでしょうか?
グリスアップしつつ組み上げ
次はグリスアップして各部の動きをよくします。
一度に全部グリスアップするより、ピストンの後は部品を取り付けながらグリスアップしていった方が確実かなと。
他の方のブログではあまり触れられていなかったのですが、海外勢のメンテ動画では、スライド部をしっかりグリスアップしとけよとあったので、そこは特に念入りにやっていきます。
確かに片押しキャリパー、またの名をフローティングキャリパーは、その名の通り、キャリパー自体がスライドすることで、2枚のパッドをディスクに押し付けています。
スライド部の動作が渋いと、偏摩耗の原因となるのは想像に難くないでしょう。
キャリパーピストンと同じくらい大切な部分になりますからね。
バラす段階ではかなり渋かったですが、グリスをたっぷり塗り込むとヌルヌルとラバー部へ入っていきます。
ラバー部の内側でしっかりグリスを保持するように塗り付けました。ブラケット部分をキャリパー側へ押し付けてみると、ここがスプリングのような役目を果たしていることがわかります。写真では写っていませんが、ピン部分に返しがついていますから、ラバーがそこを噛むようにしっかり押し込んで装着しておきましょう。
ここまでやったら次はパッドを取り付けたいところですが、その前にピストンを押し戻しておきます。使用済みの古いパッドを適当に噛ませ、マイナスドライバーでテコの原理を使ってグイッとやるとニュルッと戻りました。一応リザーバータンクの蓋を開けて、押し戻した際の圧が逃げるようにしておきましたが、そのせいでリザーバー側からフルードが漏れました。なんか水分がスイングアームを伝ってきたなと思ったらブレーキフルードでした……。とりあえず水拭きしておきましたが、あとで綺麗に水で洗っておきます。
ピストンを適当なところまで押し戻したら、パッドスプリングとパッドをグリスアップしつつ組み込みます。パッドピンはねじ山部にアンチシーズをちょこっと塗り付け、スライド部にはブレーキグリスを塗ります。後で分かったのですが、面倒だったらパッドピンのスライド部もアンチシーズで問題ないらしいですね。2本パッドピンはパッドと交互に取り付けるとスムーズに取り付けできると思います。最初のパッドを嵌める→ピンを2本通す→もう1枚のパッドを嵌める→ピンを奥まで挿入するといった感じで。
ピン本体に段つき摩耗が出ていたので、次回はピンも交換しましょう。清掃時にヤスリで磨いておくといいそうですが、ちょうどいいヤスリがなかったのでそのまま使ってます。パッドピンを軽く締め、キャリパーの外側にはみ出たグリスを拭き上げたらキャリパー本体は完成です。
車体への組み付け
キャリパーマウントボルトは脱脂後に下1/3ほどにアンチシーズを塗り締め付けていきます。規定トルクは40Nmだったと思いますが、とりあえず取り外し前に行ったマーキングに従って締め付けます。アンチシーズを塗っていると規定トルクを超えてもグリグリ回っていくイメージでしたが、取り外し時にもバイク屋さんが塗ったであろうアンチシーズが効いていたため、取り外し時と同じ感覚で締め付けることができました。そうそう、マーキングはボルトの緩みを視覚的に捉えることができるため、自家整備が不安な場合は重要です。走り出す前などにちょいちょい確認しておくといいと思います。
キャリパーの固定が完了したら、パッドピンを本締めします。規定トルクがありますが、手ルクレンチでカチッとガバ整備でございます。フロントのクイックリリースパッドピンのせいでパッドピンへの認識が甘くなっています……。
最後にブレーキホースガイドを固定し、ブレーキペダルを踏んでピストンを押し出したら、キャリパー清掃とパッド交換は終了です。
完成!!
サイレンサーも交換し、ほぼ完成です。初めてのリアパッド交換でしたが、なかなかスムーズにできたのではないかと思います。作業スペース確保のためにも、サイレンサーは外して作業した方が絶対にいいですね!!
あとは燃調をTTPマップに戻したり、洗車したりして走れる状態にしました。
反省点
・バッチリ綺麗にするならピストンツールを揃えておこう・マーキングが汚い・交換用のパッドピンは持ってて損はない・ピストン戻すときは慎重に・フルードは今度お店で交換してもらいます
交換したブレーキパッドのお姿
残り1mmもない感じで、絶妙なタイミングで交換することができました。2年前の購入時からそのままだったので、少なくとも17000キロは使用しました。キャリパーの形状と取り付け位置的にパッド残量の把握が難しいので、ほぼ勘で交換となったわけですが、ちょうどよかったですね。用品店の無料点検とかでも、リアパッドの時はライト当てて覗き込んで、うーん、減ってるけどまだ大丈夫ですね!ってあやふやなコメントしかもらえない程度には残量確認しづらいですから、これからは半年に一回くらいはキャリパーを外して確認することにしましょう。
ぷろみゅーのパッドの実物はびっくりするほど金ぴかです。
またパッドの面取りはされていませんでしたから、メーカー側で面取りをするようになったのは現行の製品になってからなのでしょう。鳴きが発生しづらいとのことだったので、その性能を確かめるためにも今回はそのまま組み付けています。現在装着しているローターがなかなかにガタガタなので、馴染むまではちょっと時間がかかりそうな気がします。
純正品かと思っていましたが、前オーナーは社外品のパッドに交換していました。
背面をよく見るとベスラ製のようです。バックプレートに黒い塗装が乗っているので、レジン系のパッドではないかと思います。(シンタード系のパッドは製造の都合でバックプレートの表面に銅が配合されます)摩擦係数コードはGGとあるので、今のラインナップにはない古い製品だと思います。かなり効きが良かったですが、バックステップに交換しリアブレーキの操作がシビア(マスター部分にリターンスプリングを装着していないため)になっていても、ロックするギリギリがわかるようなコントロール性がありました。むしろシビアになっているからこそわかりやすいというのもあったかもしれません。そう思うと現行のベスラのレジンパッドも気になってきますね。
レビューはそのうち
早速近所で試走しましたが、まだ当たりがついたような感覚は得られていないので、レビューはまた今度ということで。いや、ボーッと走ってるといつものクセでフロントだけで減速しちゃうんだもん…。一応ちゃんと使えてはいるので、新古品とはいえ古いからダメとか、取り付け作業が雑すぎてダメとかそういうのはないはずです。それと、車検仕様から普段の仕様に戻して気付いたことも色々あったので、それもまた別にまとめるつもりです。
ではまた次の記事で。